・・・博物館・科学館は楽しいよ!

リブデザインって何? 別館:サイミューズ ブログへ リブデザインの仕事 お問合せ 事務所の概要
リブデザイン Topページへ
お問合せはこちら

展示設計って何?-その2:博物館をつくる

博物館の計画

通常、博物館の計画は、「建築計画」と、「展示計画」の二本立てで別々に進行します。それぞれ別々に提案コンペなどを行い、設計業者を決めます。建築計画は建築設計事務所が、展示計画は、展示設計を専門にしている設計事務所がほとんど無いので、通常は展示業者が設計を請負います。
建築設計の場合は、設計図面が出来てから、その図面を元にして建築工事の競争入札が行われて、施工業者が決まりますが、展示工事の場合は、図面などの設計資料では展示のいろいろな微妙な内容を決めるのが難しいこともあり、展示設計をした業者が、そのまま展示の施工も請け負う場合が多いです。
ここでは、市町村などの歴史系博物館を例にして、その出来るまでのプロセスについてご紹介します。

博物館構想のはじまり

博物館を作ろという話は、自治体の記念事業であったり、地域の遺跡発掘などで蓄積した考古史料や、旧家等からの大量の歴史の寄贈などで、ある程度の量の歴史資料が集まって「博物館でも作ろうか・・」ということで博物館構想が持ち上ります。
まれには、自治体の首長さんが、「自分の任期内に文化施設を作って自分の足跡を後世に残したい・・」という個人的(?)な動機で作られる場合もあるようです。

資料の収集と整理

まず、学芸員スタッフを選任し、大学の先生や地元の郷土史家などを集めて、博物館準備室を作り、歴史資料の調査からはじめます。
のような歴史資料が地域のどこにあり、それは展示可能なのか?、大きさは、重さは、史料的価値は・・などを分類整理し、歴史資料の台帳を作ります。
場合によっては、他県などに展示史料がある場合もありますので、それらも調査します。

基本構想から展示設計コンペへ

次にそれらの展示史料を元に「どのような歴史にスポットを当てて展示するか?」という基本的な方向性を検討します。
仙台の博物館であれば、歴史展示の中で「伊達家と伊達騒動を中心に展示しよう」、和歌山の博物館であれば「熊野神社や古道を中心に・・」というような、博物館の基本的な方向性を決めて、基本構想書をまとめます。
この基本構想を元にして、展示の提案コンペが行われますが、コンペ要項には、あまり細かい展示史料については書かれていません。主要となる展示物についての概説や、展示の基本的な考え方などについて書かれているので、展示設計者が、その内容を読み込み、必要に応じて、現地に調査に行き、どのような空間で、どのようなストーリーで、どのような手法で見せるかを考えて、その成果をまとめて、締め切りまでに展示提案書を提出します。

次のページへ

※ここでご紹介している内容は一般的なプロセスであり、リブデザインが全てのプロセスに関わっているわけではありません。
(C) Copyright LIB Design 2008, All Rights Reserved