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展示設計って何?-その3:博物館をつくる

展示設計を受注してから

前ページのように、いくつかのプロセスを経て、無事設計を受注してからの作業についてご説明します。これからが結構大変なんです。

資料の調査とストーリーをつくる

まず、どのような展示資料があるのかを調査します。
実物を確認して、どの方向で見せるのが良いかなど見せ方を考えたり、補修が必要かなどを確認します。
倉庫での展示資料の調査、確認そして、それらの資料を基に、展示資料リストを作成し、どのようなストーリーで来館者に見ていただくかを検討します。どの資料をとっかかりとして紹介し、どれがポイントで、どういう順番で見てもらい、どう理解してもらうかというストーリーです。
そうした中で、史料が不足していて、ストーリーがきれいに繋がらないような場合もあります。その場合は、不足している史料をグラフィックで示すか、模型を作って示すか、映像で補うか・・などを検討して決めてゆきます。
この展示企画作業は、博物館の学芸員の方や展示プランナーと呼ばれるスタッフや、私のようなデザイナーも必要に応じて参加します。

レイアウトの検討とデザイン

こうして整理された展示物の情報を元にして、デザイナーは展示室の空間イメージを考えながら、プランナーとさらに具体的に、「ここはシンボリックな空間で・・」「これはグラフィックパネルで見せよう」「これは模型を作って見せよう」「解説計画はこうしよう」「これは映像で解説しよう」などと、さらに具体的な見せ方を検討し、展示室の空間とレイアウトを考えながら展示手法を考えます。
展示物の模型を配置して検討(科博展示JV)展示室の模型(科博展示JV)必要により、展示室模型を作り、レイアウトを検討します。
右の写真は、科博の新館二期3階の展示レイアウト計画にあたって作成した展示室の模型と、同じ比率で作成した動物剥製の模型でレイアウトを検討する。※資料:科博展示JV

図面の作成

具体的なレイアウトや演出手法が最終的に決まったら、展示工事に必要な図面を作成し、映像、グラフィック、模型など、それぞれの専門スタッフが製作に必要な図面や仕様書などを作成します。

展示工事に必要な設計図書が全て揃ったら、入札を行い、展示工事請負業者を決定します。場合によっては映像工事、グラフィック工事などと、分割で請負業者が決められる場合もありますが、私の経験からすると、分割発注した場合は、あまり好ましい結果にはならないです。
こうして、施工業者がきまり、工事が始まったら、設計者は、工事の進捗に合わせて、適宜設計を調整したりして、設計どおりの展示が出来るように管理します。
ただ、工事している最中にも、新しい歴史的発見があったり、より有効な解説機器が開発されたりして、設計変更になることも多々あります。

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※ここでご紹介している内容は一般的なプロセスであり、リブデザインが全てのプロセスに関わっているわけではありません。
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